No. 00046 緯度:34度 47分 経度:135度 82分
【奈良県】 春の日差しを受けて…明日香路を歩く

日本の歴史上、未だ謎とされ解明されていない邪馬台国。女王卑弥呼や聖徳太子をはじめ、「大化の改新」でその権力を争った蘇我入鹿や中大兄皇子(後の天智天皇)が生まれ育った悠久と浪漫の地。それが奈良県の明日香である。当時の人々の莫大なエネルギーが爆発し、そのまま日本を動かす原動力となって一気に歴史を揺り動かした。

明日香という響きほど日本人をロマンに誘う韻と場所は無い。
石舞台や亀石など、誰もが知っている謎を秘めた石物史跡をはじめ、果たして天皇家の陵墓なのか、はたまた豪族の墓なのか、今尚、論議を呼ぶ続ける古墳群ががあちらこちらに点在する。
明日香村の春には「菜の花」と「レンゲ」が良く似合う… 明日香村の春には「菜の花」と「レンゲ」が良く似合う…
明日香村の春には「菜の花」と「レンゲ」が良く似合う…

邪馬台国が何処にあったのかは別として、ここ明日香が日本人の心のふるさとである事は間違い無いだろう。そんな、明日香路の春を楽しみながらのんびりと歩いてみよう…。


菜の花とレンゲ…黄色とピンクの絨毯が広がる日本の原風景を歩こう!
のんびりとした飛鳥村の風情
のんびりとした飛鳥村の風情
日本の現風景が残る明日香村
日本の現風景が残る明日香村
一面の黄色が綺麗だ!
一面の黄色が綺麗だ!
「明日香」なのか?「飛鳥」なのか?…長年疑問に思っていた。インターネットのお陰で簡単に検索でき、今ではその疑問も、ほぼ解決している。

要するに、元々日本語には文字が無かったようで、漢字が伝わった当初は韻表記「アスカ」にいろいろな文字を当てはめたらしい…。

万葉集には「阿須加」や「阿須可」とかいう文字が使われており、当時はこのように表記されていたみたいだ。しかしこの文字面は余り美的にはよろしくないと言う事でカッコイイ「明日香」が当てられたらしい。
…まるで、今人気の某車メーカーの低燃費CM(TNP)のような発想で、実に日本人らしい…
奈良時代に入り、歌が盛んに詠まれるようになり明日香の枕詞として「飛ぶ鳥」が使われるようになったのがきっかけで「飛鳥」も表記に仲間入りした。
現在では、地名や自治体名は「明日香」を。時代や地域名は「飛鳥」を使っているとのことだ。

さて、私が明日香路が好きな理由は、有り余る史跡や名勝、重要な歴史話がギッシリと詰まっているのに、何とものどかに流れる時間と雰囲気だ。それは、40数年前の学生時代に訪れた時とほとんど変わっていない。まぁ、道を行き交う車のスタイルやおしゃれな佇まい、女性の華やかで短い衣裳などは、相当変わってはいるが…。そんな明日香路の春を観じ、歴史のワンシーンを思い浮かべながら、曲がりくねった遊歩道や畦道を、気ままに歩いてみた。

日本の春と言えば、菜の花の黄色とレンゲのピンクは切り離せない。もちろん、その両方が、ここ明日香路には健在である。水の抜かれた田や畑に、今が旬と咲き乱れる何10万本もの菜の花やレンゲの可憐な花が出迎えてくれる。畦道の傍らには綺麗な水が流れる田園風景だ。
散策途中に立ち寄ったお店で聞いた話では、明日香村のレンゲ畑のレンゲは、毎年自治体から各家庭に「種」が配られるらしい。その種を各自が責任を持って育て、毎年、明日香路を訪れる観光客に楽しんで貰っているとのことだ。しかしどこの自治体も台所事情の苦しい事は同じで、年々予算が縮小傾向にあり寂しい年もあるとの事。散策の途中で募金箱を見かけたら、コイン一枚ぐらいは入れることにしよう…。
飛鳥坐(あすかにいます)神社
飛鳥坐(あすかにいます)神社
蘇我入鹿首塚
蘇我入鹿首塚(合唱!)
明日香へは電車なら近鉄「橿原神宮前」駅で下車し、駅前から奈良交通バス豊浦経由 岡寺行きに乗り「飛鳥大仏前」等で下車すれば良い。または、「飛鳥」駅で下車なら、直ぐ「高松塚古墳」だ。駅前には総合案内所「飛鳥びとの館」がある。

明日香路巡りでは、至る所で菜の花やレンゲなど春の息吹を楽しむ事ができる。春風を浴びながら、ただただそぞろ歩くのが楽しい。今回の散策では、今までに何度か訪れている有名な石舞台などは敢えてパスをし、純粋に道を歩く事を楽しむことに決め込んでいた。
…とは言うものの、やはり日本人として神社や塚を見ると黙っては通り過ぎられない。そんな方には、是非、お参りを済ませてから散策を楽しんで頂きたい。

明日香路には、大化の改新(現在の教科書表記は「乙巳の変(いっしのへん)」)で暗殺された「蘇我入鹿(そがのいるか)」やその父「蘇我蝦夷(そがのえみし)」の邸宅があったとされる「甘樫丘(あまかしのおか)」を取り巻くように「飛鳥寺」や「飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)」「橘寺」「岡寺」「円山古墳」や壁画で有名な「高松塚古墳」、もちろん「石舞台」「酒船石」等々社寺仏閣遺跡名勝が目白押しに点在している。それを縫うように素朴な飛鳥遊歩道が通り、その両側には可憐な花が甘い香りを漂わせている。

この飛鳥遊歩道を尋ね歩くと、それぞれの名所旧跡を訪ね歩く事ができるようになっており幾つかのコースに分けられているので、体力に合わせてチョイスする事ができる。飛鳥遊歩道に関しては「ウォーカーステーションTV-3CH-」に詳しいので、出かける前にこちらをチェックしておくと、非常に役立つこと請け合いだ。

明日香路を散策すれば、必ず自分の好きな風景が見つかるはずである。その風景を見つけるために、春の一日、のんびりと時間の許す限り、日本の歴史の香りが漂うロマンの地の散策を楽しんで頂きたい。そして散策の最後には、少しきついかもしれないが、甘樫丘に登り、古しえの大和国の当時から多くの人々に親しまれる続ける「香具山」「畝傍山」「耳成山」の大和三山を見渡し、1400年の時の向こうに生きた先人に思いを馳せるのもたまには良い…。
明日香のレンゲは住民全員が守っている 蘇我蝦夷・入鹿親子の邸があったと言われている甘樫丘から大和三山を望む(正面:耳成山)
明日香のレンゲは住民全員が守っている 蘇我蝦夷・入鹿親子の邸があったと言われている甘樫丘から大和三山を望む(正面:耳成山)

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