No. 00044 緯度:35度 38分 経度:136度 93分
【愛知県】 名古屋の奥座敷、犬山の春を彩る犬山祭り

愛知県犬山市は、県の北西部に位置しており市の東半分は山地、西半分は平地で占められ、また、岐阜県との県境に近い木曽川の中流域南岸にあり、眼下に木曾川を見下ろす犬山城(別名白帝城)は毅然と聳え立つ日本最古の天守建築で国宝に指定されている。

その犬山城の麓で毎年4月初旬に繰り広げられる絵巻「犬山祭り」は針綱神社の祭礼で江戸初期の寛永12年(1635年)頃から伝わる格式高い祭りである。
  毎年4月の第1土曜・日曜の2日間開催される
針綱神社前の車山 広場に集まった山車
針綱神社前の車山 広場に集まった山車

13輌の山車(やま=犬山ではだしではなくやまと呼ぶ)が街中を駆け巡る様は京都の祇園祭、大阪岸和田市のだんじリ祭等と並び、全国各地から多くの観光客が訪れる。


13輌の山車が桜並木の城下を巡り歩く2日間
犬山城に向かう山車
犬山城に向かう山車


山車に組み込まれた様々な「からくり」を発見するのも犬山祭りの楽しみ…
山車に組み込まれた
様々な「からくり」を発見するのも
犬山祭りの楽しみ…
●2011年の「犬山祭り」は、4月2日・3日の土日である。

足元を日本ラインとも呼ばれる木曽川が流れ、現在も観光地として有名な犬山の歴史は、文明元年(1469年)に織田広近という武将がこの地に犬山城の前身である砦を築いたのが初めと言われている。
天文6年(1537年)織田信長の祖父である織田信康がその砦を改修したが、信康は天文13年(1544年)斎藤道三との戦いで戦死している。その後、犬山城も他の城と同じく歴代の城主が入れ替わり、明治の廃藩置県で廃城の運命を辿っている。

平成16年(2004年)までは、全国でただひとつの個人所有の城であったものの、同年4月から財団法人の管理に移管されている。
その犬山城を舞台に毎年4月の第一の土日に針綱神社の祭礼として催されるのが「犬山祭り」で、今年で第377回目となる。

犬山祭りには、必ず第何回…という実施回数が冠として付け加えられている。
従来、春の年1回の実施であったが、1998年からは10月にも「秋の犬山お城まつり」として開催されるようになった。但し、秋の祭礼には第何回はつけられていない。

犬山祭りの見どころは、何と言っても桜並木の下を練り歩く13輌の山車の曳山巡航で、全ての山車には「からくり人形」が仕組まれている。 「奉納からくり人形」を披露するのは全国でも唯一のものである。
犬山祭りに使われる山車は江戸時代から伝わるもので、三層からなる豪華絢爛たる文化財だ。その山車が笛や太鼓に合わせ、城下中を練り歩く。またその後を地元の人々や観光客がぞろぞろと連なり歩く。
祇園祭やだんじり祭りは見て楽しむ祭りであるが、犬山祭りは参加して楽しむ祭りなのだ。
13輌の山車のからくりの違い、内容については犬山市観光協会のホーム頁に詳しいのでそちらを参照していただくとして話を続けよう…。

現在、犬山祭りは4月の第一土日に開催されるとなっているが、この時期、本当に桜が美しい時期と重なっている。
江戸時代は8月、明治初期は4月下旬に開催されていた。
邪推すれば、何かの意思が盛り込まれている気がしないでもないが、そんな難い事は忘れよう。全国に祭り多しと言えど、桜の満開時に楽しめる祭りはそれほど多くはないのも事実である。

街中を練り歩いた後は全ての山車が広場に集合する
街中を練り歩いた後は
全ての山車が広場に集合する
満開の桜と山車は良く似合う
満開の桜と山車は良く似合う

針綱神社前では奉納が…
針綱神社前では奉納が…
やはり提灯はお祭を盛り上げる!
やはりお祭りには提灯だ!
この2日間、犬山の城下町は祭り一色に染まる。
最寄の名鉄犬山線「犬山」駅を降りた途端、笛や太鼓の響きに人、人、人…の熱気が入り混じっている。
否応無しに熱い血潮が伝わってくる。
地元では、祭りの初日を「試楽(しんがく)」、2日目を「本楽(ほんがく)」と呼んでいる。
山車数の13は、当時あった町数である。各町それぞれが自慢の山車を繰り出し競い合って五穀豊穣や城下の安全を祈ったのである。

犬山駅の改札を出、人波に揉まれ押されながら本町筋へ…。
本町筋は城に続くメインストリートでもある。
既に山車を見学しようとする地元の人達、観光客で身動きできない状態だ。
それぞれ独自の装飾をまとった山車が城を目指すかのようにゆっくりと進んでいく。
巡航の速度には、笛、太鼓のリズムが丁度良い。
山車の上では創意工夫されたからくり人形が物語を演じ、着物を着飾った幼い冠者がすまし顔で鎮座している。
本町交差点、犬山駅前、針綱神社前等の要所では「どんでん」と呼ばれる山車の方向転換が行われ、見せ場の一つとなっている。
夜の帳が下り始めると、13輌の車山に提灯がともされ、夜桜の町中を練り歩く様子は、絵巻を見るような幻想的且つ豪華絢爛な錦絵の世界そのものである。特に夜の巡行を夜山車と呼んでいるそうであるが、この時に使われる提灯の数は、各山車とも365個と決まっているようだ。

犬山城からおよそ南へ100mの所にある犬山文化史料館の1階に犬山祭の車山展示ホールがあり、13輌すべての車山とからくりを解説したパネルも展示されている。また、別館「からくり展示館」には祭りの「車山(やま)」〔犬山祭では車山(やま)と言う〕のからくり人形や、祭りに関する資料なども展示されている。
少し離れるが、犬山城から南へ約800mにある「どんでん館」では、犬山祭で曳かれている愛知県有形民俗文化財である車山13輌のうち4輌が展示され、2階には、「企画展示室」や 「交流サロン」がある。
祭りの当日は山車の引き手も真剣勝負 山車の華やかな装飾も自慢 山車の後を見物人がついて歩く…
祭りの当日は山車の引き手も真剣勝負 山車の華やかな装飾も自慢 山車の後をぞろぞろと見物人もついて歩く…

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