No. 00041 緯度:35度 40分 経度:133度 89分
【鳥取県】 湯治の宿で英気を養う 三朝温泉 湯治旅

5年前に癌を患った。若い頃から「胃潰瘍」で日常的に胃が痛んだ。検診ではいつも再検査を指示されたが、医者嫌いでほったらかしておいたら、案の定、何時の間にか癌に変異していた。

気付いた時には”時既に遅し!”で第4ステージの第4期。進行癌の末期。開腹したら手遅れに近い状態だった。一瞬、主治医は手術をせずにそのまま閉じようかと考えたらしいが、「どうせなら…」と手術に挑んでくれたらしい。結局、胃の全てを摘出し、小腸から周囲のリンパに至るかなりの部分を取り除き6時間を越える大手術だったらしいが、悪運が強いのか、再び「命」を授かった。
ヌード、射的の看板…懐かしい温泉情緒が健在の露地 降り積もった雪も三朝では温泉地熱で早く解ける
ヌード、射的の看板…
懐かしい温泉情緒が健在の露地
降り積もった雪も
三朝では温泉地熱で早く解ける

昨年の年末で丸5年を経過したが、今のところ転移らしい症状も無く、何とも無かったような生活を送れているが、それ以降、1年に何度となく三朝温泉に湯治に出かけることが楽しみのひとつになっている。

世界でも屈指の高濃度のラドン温泉に浸かる
うっすらと雪景色をした温泉町
うっすらと雪景色をした温泉町
三朝川(三徳川)沿いの道には 積雪の上に足跡が…
三朝川(三徳川)沿いの道には
積雪の上に足跡が…
一夜明けたら、川の中州も白化粧
一夜明けたら、
川の中州も白化粧
癌に限らず、どんな病気にも体を温めることは免疫力の増加に大きな効果がある。
私が湯治場所として「三朝温泉」を選んだのは、大阪から3時間少しで行ける距離にあり、日本唯一のウラン鉱山があった「人形峠」の北側に位置し世界でも屈指の高濃度のラドンが含まれているからだ。
ラドンとは放射線の一種であるが、放射能ではない。ラジウムが気化し、発生するラドンガス(湯気)を吸うことで抗酸化機能が高まり、老化や生活習慣病の予防に役立つとされている。この効果をホルミシス効果と呼んでいる。私は、この効果が放射線治療と同じ効果を発揮するものと信じて湯治する事に決めている。何事も、信じる事が一番の薬だろう…。
三朝温泉での湯治スタイルは自由であるが、私の場合は経済的な自炊型の湯治宿のお世話になっている。
いつもお世話になるのは、江戸時代から湯治専用で営業している「油屋」さんだ。
完全自炊型で、鍋や調理器具、食器、寝具は用意されているので、身の回り品は事前に宅急便等で送っておくと便利だ。炊事場は各部屋に付いている。
最低3日間の宿泊が原則となっているが、私の場合、春、夏、秋、冬…と四季に渡り大体、1回10日間から2週間お世話になっている。
湯治は普通の観光旅行のような物見遊山的な通りすがりの楽しみ方ではなく、短期間であれ、地元に溶け込み生活をさせていただく…という、また違った楽しみ方ができる機会でもある。
自炊型なので、食事は自分で調理しなければならない。
近くのスーパーや店先を覗き込み食材を揃えたり、日に3度の食事の用意は、慣れない内は1日中食事の用意で暮れてしまう雰囲気だが、慣れてくれば合間合間に散策や掃除、洗濯など主婦(主夫)業もこなせるようになる。いやはや、日々の奥様の苦労が手に取るようにわかる!
「かじか」は三朝の守り神 旅人が無事に帰れるように…
「かじか」は三朝の守り神
旅人が無事に帰れるように…
三朝川川沿いに建立されている薬師如来を奉る南菀寺
三朝川川沿いに建立されている
薬師如来を奉る南菀寺
食材を揃えるのもまた楽しい…
食材を揃えるのもまた楽しい…
料理も楽しい日課となる…
料理も楽しい日課となる…
しかし、結構コレが楽しくなってくるから不思議だ。
今日の昼飯は何を作ろうか…?晩飯は…?などと試行錯誤しながら献立を考え、作ったメニューを携帯で撮影し家族に送る楽しみも味わえる。
療養だけではなく、心の洗濯もストレスの解消もでき一石二鳥かも知れない。
キャンプと同じく、自分で作る野性味溢れる料理に舌鼓を打つのも良い!
三朝温泉は山間にある温泉だが、日本海も近いので魚介、野菜類は安く購入できる反面、食肉類は鮮度等をよく吟味して買う事をお勧めする。路線バスで倉吉市に出てまとめ買いするのも一考である。
私がお世話になっている湯治の宿「油屋」には2つの風呂があり、どちらも24時間自由に使える。もちろん、源泉かけ流しだ。ここには2匹の猫が飼われていて湯治客の人気者になっている。白い「チュウ助」は人懐っこい性格で、扉を開けておくと直ぐに上がり込んで来たり体を摺り寄せてくる愛嬌者。もう1匹の「フジコ」はちょっと人見知りする内気な性格。どちらもかわいく心を癒してくれる。猫好きの方には堪らないだろう。また、近くには公衆浴場の「株湯」があり、入浴料は大人300円だが回数券を買えば200円になる。2010年5月に外観も浴槽も完全リニューアルした。お湯は熱めで体の芯から温まる。散歩がてら立ち寄り2日に一度はこちらにも入浴して楽しんでいる。
「油屋」の経営モットーは、とにかく「干渉しない」こと。湯治客は一人一人の病状や状況が違うので、マイペースで投宿してもらうためにできるだけ干渉しないようにしているとの事。
ぼけたらあかん 長生きしなはれ最後に、「油屋」さんの壁に掲げてある「ぼけたらあかん、長生きしなはれ」の名訓をご紹介しておこう。
作者名は書かれていないが、なかなかためになる内容なので是非とも呼んでみる事をお勧めする。(図のクリックで拡大表示)

●湯治の宿「油屋」 三朝温泉関連記事 三徳寺関連記事
油屋の玄関 底はすのこ張りの浴槽 底が天然石(滑りやすいので足元に注意)
油屋の玄関 底はすのこ張りの浴槽 底が天然石(滑りやすいので足元に注意)

「油屋」は、江戸時代後期から営業する三朝温泉で一番古い湯治宿。
浴室は2ヶ所あるが、どちらも男女の区別は無く、「女性入浴中」「家族入浴中」の札が掛かっていなければいつでも自由に入浴できる。札は帳場で言えば期間中貸し出してくれる。
その他、冬季は炬燵が用意されています。
電気ストーブ等の持込OK。帳場前のロビーに電子レンジが設置。
お部屋の一例●料金は1泊4,560(税込)~(3日以上が原則)
部屋の施設によって異なります。
●1ケ月以上は1割引。洗面道具・浴衣は持参。●1週間以内の場合は入湯税150円が必要。1週間以上の場合は入湯税はサービス。
●宿泊の予約は:TEL/FAX 0858-43-0657
 〒682-0123 鳥取県三朝町三朝944

tabitomaのTOPへ