No. 00035 緯度:35度 01分 経度:135度 79分
【京都府】 もみじと湯豆腐 南禅寺・永観堂

京都の紅葉といえば、先ずその名が出てくるのが「南禅寺」と「永観堂」。ほぼ隣り合わせに建ち並ぶ二つのお寺の近くの道は、紅葉シーズンになると人や観光バスで早朝からごった返す!

大阪の官公庁や企業のビルが建ち並ぶ「淀屋橋」から京阪電鉄の特急に乗って京都へ。
「京阪三条」で下車し、地下鉄「東西線」に乗り換える。2つ目の駅「蹴上(けあげ)」で下車。仁王門通りの坂を下りきった所にある交差点が「南禅寺前」。右に伸びる道を進むと正面に大きな山門が見えてくる。広大な敷地に建立された臨済宗大本山「南禅寺」である。
紅葉真っ盛りの南禅寺三門 錦絵に染まる永観堂
紅葉真っ盛りの南禅寺三門 錦絵に染まる永観堂

かの有名な盗賊「石川五右衛門」が隠れ住み「絶景かな、絶景かな」と言ったとされる伝説で有名だ。
その山門を潜り抜け左へ…。程なくすると右手に見えてくるのが「永観堂」。錦絵のような紅葉が見事だ。


伝統の縦糸と職人気質の横糸が織りなす-京都の紅葉
今年の紅葉は特に綺麗!
今年の紅葉は特に綺麗!
南禅寺の境内はこの感じ
南禅寺の境内はこの感じ
疎水脚と黄金のグラデーション
疎水脚と黄金のグラデーション
インクラインも赤く染まっています
インクラインも赤く染まっています
京都という町は本当に魅力的な街だと思う。
日本広しといえど、これほど万人に愛されている街は他に類を見ない。仏教と貴族文化が作り上げた日本人の原点と伝統という時の流れがそこに垣間見られるからかもしれない。
旅行ブームの昨今は、いつ訪れても観光客でごった返している感がある。特に、街全体が鮮やかに色付くこの季節の混雑振りは尋常ではない。
そんな中、気負わず気軽に短時間で訪ねる事ができるのは、関西に住んでいる特権と言えるのかもしれない。

京都で訪ねてみたい場所を聞けば、「清水」「平安神宮」に次いで出てくるのが「南禅寺」である。
南禅寺は、禅宗の中の臨済宗南禅寺派の大本山であり、その広大な敷地の中に三門(山門)、法堂、方丈、本坊がほぼ直線状に配置され、周りを多くの「庵」と「院」が取り囲んでいる。昼夜の温度差が激しくなるこの時期、鬱蒼と茂るヤマモミジや銀杏、桜など彩りを添える樹木が織り成す「色の祭典」は素晴らしいの一言に尽きる。

ご存知の通り、ここ南禅寺の敷地内には煉瓦造りの水道橋(疎水)が通っているのは有名であるが、勿論この疎水は、平安の昔からあったわけではなく、近年1881年から1890年にかけて完成されたもので、琵琶湖の豊富な水を京都市内まで引き込むために建設された。この水脈は現在も水力発電や市民の飲料水として供給されている。

その疎水縁を歩いてみよう。道幅は狭く、片側が急斜面になっている場所もあるので、慎重に歩まなければならないが、200-300mで発電所の取水管にたどり着く。疎水内を流れる水は水足も速いが、この辺りの水は静かに澱んでいる。静と動の対比が面白い。
先へ進めば、明治から昭和23年まで高低差が36mある疎水を行き交う船をトロッコに乗せて移動させたインクラインがある。
苔の緑と紅葉のハーモニー
苔の緑と紅葉のハーモニー
瓦が紅葉に映えるのも京都
瓦が紅葉に映えるのも京都
実際はため息が出るほど綺麗
実際はため息が出るほど綺麗
多宝塔までモミジのトンネルが…
多宝塔までモミジのトンネルが…
南禅寺の山門を抜け、脇道を左へ…。
南禅寺名物の「湯豆腐」の看板が軒を並べる。暖簾を掻き分けたい気むするが、楽しみは後に残し先へと進む。

程なくして右側に素晴らしい紅葉が飛び込んでくる。「永観堂」だ。

モミジの永観堂と言われるほど、ここのモミジは素晴らしい。
禅林寺永観堂と言われ、元々は禅宗のお寺であったが、現在は浄土宗のお寺となり、阿弥陀如来を本尊としている。
背後の山をバックに多宝塔までここもかなりの広さを持った寺院である。その広い境内に放生池の水面にはモミジや桜の赤、銀杏の黄、苔の緑など秋を彩る色が映り込む様は、いくら見ていても飽きる事が無い。

総門を抜けると白壁の瓦越しに今を盛りの紅葉が目に飛び込んでくる。拝観料(大人1000円)を払い中門をくぐる。
右に放生池を見て正面に見学口があり、釈迦堂や御影堂(大殿)や本堂の阿弥陀堂等、諸堂を見学する事ができる。また、御影堂の裏には水琴窟があり、水を注ぐと水滴が奏でる透明感の高い済んだ音色が雑念を払ってくれる。永観堂を訪れた折には、是非一度耳を傾けたい音色であるが、「永観堂」のHPに2種類のサウンドが収録されているのでリンクを貼っておいた。取り敢えずこちらでお楽しみいただきたい。(水琴窟の音色その1その2

期間中は、南禅寺、永観堂ともに夜間はモミジのライトアップが実施されている。時間的に余裕のある方は、昼間とはまた一味違った紅葉風景を愉しんでいただくのもいいのではないだろうか?
ライトアップ(永観堂)11/30まで

京都の紅葉は何処も素晴らしい(南禅寺) 放生池に写る彩りも見事に尽きる(永観堂) 窓越しに切り取る紅葉の庭園もおつなもの
京都の紅葉は何処も素晴らしい(南禅寺) 放生池に写る彩りも見事に尽きる(永観堂) 窓越しに切り取る紅葉の庭園もおつなもの

●南禅寺と湯豆腐
南禅寺といえば湯豆腐…と誰もが連想してしまうほど南禅寺の湯豆腐は有名ですが、もともと殺生の許されない仏教世界においては「畑のタンバク質」といわれる大豆を使った豆腐料理は良く食べられていたようです。
当時の豆腐は焼き豆腐のような固めのものであったようですが、京都が豆腐の産地として有名になる背景に、良質の水が豊富にあったと言われています。
琵琶湖の水と同じ量の水が京都の地下水として脈々と流れているとも…。南禅寺と疎水と豆腐…何か関係がありそうに思えます。
冬の京都。散策で冷え切った体に湯豆腐の温かさを染み渡らせるのもおつなものでしょうか…?

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