No. 00022 緯度:35度 10分 経度:139度 07分
【静岡県】 貫一お宮で有名な海岸も、現代風に衣替え 熱海温泉

慰安旅行と言えば「熱海」…。
そんな時代があった。
多くの文豪が居を構え、幾多の名作を世に送り出した街「熱海」
新しきを知り古きを懐かしむ旅に出てみよう。

「慰安旅行」は日本的な良き慣例であったと思うが、経済が発展し、企業が大きく成長するに連れ、個人主義が中心となり、いつしか時代に即応しなくなったのだろう。
当時、慰安旅行と言えば、まず候補に上がるのが「熱海」だった。

バブル崩壊と同時に、日本の観光地も大きな打撃を受け、生き残りを掛けた挑戦が始まった。
熱海も例外ではない。
新幹線熱海駅前の足湯場「家康の湯」 09:00-16:00 昔ながらの海岸はサンビーチとして近代的に整備され、以前の面影は無い
新幹線の熱海駅前には
無料の足湯場(家康の湯)も
設置され、出張の疲れを癒す
サラリーマンの姿も多い
09:00〜16:00 年中無休
昔ながらの海岸は
サンビーチとして近代的に
整備され以前の面影は無い

海岸はサンビーチとして整備され、現在は新しい熱海の顔となっている。
古い熱海を愛した熟年層の旅行客を取り戻せるのか…?。それが今問われていると言えそうだ。

慰安旅行では定番だった「熱海」
隣接するヨットハーバーに舫われたヨットが、心地よく揺らいでいた…
隣接するハーバーに舫われた
ヨットが、心地よく揺らいでいた…
古い人間なら、熱海と言えばまず思い浮かぶのが尾崎紅葉が執筆した「金色夜叉」。
金色夜叉(こんじきやしゃ)を「きんいろやまた」と読んだのは漫才のネタであるが、果たして今の若い人達の何人が読めるのだろう…。甚だ失礼だが、ふとそんな事が頭の片隅を過ぎった。
国道135号線沿いのお宮緑地
国道135号線沿いのお宮緑地
写真は熱海市ホームページより転載

金色夜叉の中で有名な下りが、熱海海岸で間貫一(ハザマ・カンペイではない…)がお宮に対してはき捨てる名台詞。
「来年の今月今夜、再来年の今月今夜、10年後の今月今夜、僕の涙できっとこの月を曇らしてみせる。」だろう。但し、この台詞がでてくるのは、そこそこの熟年層だけかもしれない。

海岸沿いの旅館群も、その姿を大きく変えた。近代的な高層のホテルが立ち並び、若い人たちが喜びそうな明るい雰囲気が満ち満ちている。海岸の松の樹も椰子やフェニックスに変わり、リゾート地としての「熱海」を前面に表現しているように思える。

昔の温泉町の趣を期待する年齢層には、少し残念な気もするが、これも時代の移り変わり。また何十年も経てば、今の若い人たちも同じように昔を懐かしむのだろう。

海岸の入り口となっている「熱海ムーンテラス」
海岸の入り口になっている
「熱海ムーンテラス」
貫一お宮の像
貫一お宮の像
写真は熱海市
ホームページより転載
そう考えながら海岸を少し散策しながら、お宮の松まで歩いてみることにした。
「お宮の松」と「貫一お宮の像」は海岸の国道135号線沿いにある。
以前、熱海の海岸には、“羽衣の松”という見事な松の木があり、これが金色夜叉の人気に伴い「お宮の松」と呼ばれるようになった。 残念ながら初代の「お宮の松」は、排気ガスや他の要因で枯れてしまい、今は2代目となっており、その傍らに貫一お宮の像がある。

熱海温泉の起源は、今からおよそ1250年前の天平宝字(755〜765年)頃、箱根権現の万巻上人が、海中に湧く熱湯によって魚類が焼け死に、甚大な被害を被っていた漁民たちを助けようと志し、祈願によって泉脈を海中から山里へ移したことと伝承されている…と、熱海観光協会の公式HPに書かれている。
もう少し熱海の街中を散策し、今尚残っている残っている昔ながらの温泉情緒を探してみよう。

言わずと知れた熱海温泉は、昔から湧出量も毎分18,000リットルの湯量を誇り、古くから温泉場として知られている。
思わずドキッとする風景に出会った…
思わずドキッとしてしまう
風景に出会った…
どうやら旅館だったらしい…。
以前は観光客が下駄の音を
響かせて通った路地だろうが…
清左衛門の湯 昔、清左衛門という農夫が落ちて焼け死んだと伝えられる
清左衛門の湯
昔、清左衛門湯という農夫が
落ちて焼け死んだと伝えられる
河原湯
河原湯
源泉数は500以上あると言われ、湯質は、ナトリウム、カルシウム等の塩化物を含む硫酸塩温泉で、低張性・弱アルカリ性・高温泉である。
古くは殆んどの源泉が硫酸塩泉だったが、現在は海岸線界隈では地下水に海水の流入等の水質の変化で塩化物含有率が高く、山間部は硫酸塩含有量が多くなっている事が分かった。

細い路地を海岸に向かって降りていくと、朽ち果てた旅館だろうか、少し物悲しい風景に出会い歩みが止まった。

熱海七湯めぐり

熱海には、「大湯」「野中の湯」「佐治郎の湯」「風呂の湯」「清左右衛門の湯」「河原湯」「小沢の湯」と呼ばれる古くからの源泉が七つあり「七湯めぐり」と名づけられている。
七湯めぐりは外湯ではなく源泉なので、城崎や他の温泉地の外湯めぐりのように入浴はできない。また、日帰り温泉のように気軽に入浴できる施設も少なく日帰り旅行者には少し残念であるが、各旅館やホテルで格安な素泊まり料金が設定されているのは、旅行者にとって嬉しい限りである。

四季を通じ楽しめる、海上花火大会

花火のイメージ写真
写真はイメージです
熱海では春夏秋冬と四季を通じて「海上花火大会」が楽しめる。夏場の花火大会は全国至るところで行われているが、冬季に花火を楽しめるのは、全国を探しても余り無い。
・春(4月中旬) ・夏(7月、8月) ・秋(9月20前後)
・冬(12月のほぼ週1回)3,000発から5,000発の花火が打ち上げられる。また、開催日毎に宿泊者に限って1回10,000円で先着5名まで「メッセージ花火」の受付もしている。プロポーズなどに利用すると、一生涯の想い出となる事うけあい!申し込みは開催日の1ヶ月前までに(0557-81-5141:熱海温泉ホテル旅館協同組合)まで。
また、開催日は年毎に変わるので、こちらで確認して欲しい。

今回は紹介できなかったが、熱海にはまだまだ沢山の見どころがある。
昔から多くの文豪が利用した熱海は、今でも著述家やアーティストたちゆかりの場所がそこかしこにある。
下に一例を挙げておくので、興味のある方は、一度訪れてみて欲しい。
【美術館・記念館】 池田満寿夫記念館MOA美術館澤田政廣記念美術館
戸田幸四郎絵本美術館
中山晋平記念館(梅園敷地内)
【パワースポット】 来宮神社(大楠)
【文化遺産】 起雲閣旧日向別邸 ブルーノ・タウト池田満寿夫 佐藤陽子 創作の家
韓国庭園双柿舎彩苑凌寒荘(りょうかんそう)

ホテルからの眺めも、以前とはかなり違った…。 老舗ホテルにも世代交代の波が押し寄せている…。 海岸から望む熱海城 昭和35年に建てられた観光のための城である
ホテルからの眺めも
以前とはかなり違った…。
老舗ホテルにも世代交代の波が
押し寄せている…。
海岸から望む熱海城
昭和35年に建てられた観光のための城である

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