No. 00018 緯度:36度 04分 経度:138度 11分
【長野県】 青春18切符の旅1 東海道&中央本線 諏訪湖へ

久し振りにノスタルジーに浸たってみようと、青春18切符を買ってみた。
名前に「青春…」と書かれているが、使用するのに年齢制限は無い。いや、むしろ利用者は圧倒的に高齢者の方が多い。
今の若い人たちはビュンと車や特急で走るのが性にあっているのだろうか…。

青春18切符は使用期間が決まっていること。5日間または5回または5人(期間内であれば何回かに分けたり5名分とすることが可能)で1枚のチケットを使わなければならないこと。急行・特急・座席指定には乗れず、新快速まで…。等、幾つかの制約はあるものの有効期間中11,500円で乗り放題なのは嬉しい。
信濃路には特急あずさが似合うが、青春18切符では乗れない 上諏訪駅構内の駅露天風呂。 無料で足湯が楽しめる。
信濃路には特急あずさが
似合うが、青春18切符では
乗れない
上諏訪駅構内の駅露天風呂
無料で足湯が楽しめる

「上諏訪」駅の構内には天然温泉が湧き出し、乗客はいつでも足湯に浸かる事ができる。旅行者にとっては嬉しいサービスである。

泉質は上諏訪温泉と同じで弱アルカリ性の単純温泉。摂氏58.3度なので、若干加水されているようだ。


青春18切符をポケットに詰め込んで、列車に乗って旅に出よう…
青春18切符
さてさて、行き先は…何処がいいだろうか?
考えあぐねた結果、東海道本線、中央本線を乗り継ぎ諏訪湖を訪ねた後、学生の頃に人気のあった小海線に乗ってみることにした。

久し振りに本屋で「時刻表」を買ってきてペラペラとページを繰った。頭の中に若かりし頃のウキウキ感が蘇ってきた。


若い頃とは違い、夜行の鈍行列車が皆無になった現在では、夜の時間を利用して移動し、朝から目的地を訪ねる…というスケジュールは難しくなったようだ。そうならば、早朝から移動するしか手は無い。接続できる列車を探すのに苦労したものの、ちょっとハードかもしれないが何とかスケジュールを組むことができた。

そんな訳で、早朝に自宅を出、朝の大阪駅ホームに立った。

まず、大阪駅から東海道本線で米原まで、そこから乗り継ぎに継ぐ乗り継ぎで名古屋、塩尻、上諏訪へ。
その後小渕沢を経由して小海線に乗り野辺山、清里を巡る予定だ。

先にも書いたように、青春18切符では急行や特急には乗れない。乗れるのはいわゆる普通列車だけだ。
時刻表は見ているだけでも楽しい
時刻表は見ているだけでも楽しい
普通列車といっても各駅停車ではなく「快速」「新快速」「通勤快速」など快速電車も含まれる。

時間的な余裕があれば各駅停車でのんびりと走リたいのだが、残念ながらそれ程の時間的余裕も無いのでやはりここは一番早い新快速に乗る事にした。

8時23分。定刻通りホームに姫路から乗客を運んできた米原行き上りの新快速が滑り込んで来た。
ドアが開くと同時に、ドーッと乗客がなだれ込む。都心とは逆方向なのに結構な人数が乗車している。勿論、座席につく事はできず立ったまま電車は動き出した。
米原までは110km少し、約2時間だ。
8時24分。車窓の外には見慣れた景色が遠ざかっていく。同じ景色でも、仕事中に見る時と、旅人となってみる場合では、違って見えるから不思議だ。

京都、大津、草津を過ぎ、10時20分。列車は米原駅に到着。

ここから10時30分発の名古屋行き新快速に乗り換える。
こちらも予想とは異なりちょっとした通勤電車並みの込み具合だ。勿論、座席につく事はできない。
米原から名古屋までは1時間少し。到着予定は11時40分だ。ここは我慢するしかないだろう…。

大阪駅を8時24分に出発し名古屋に到着するのが11時40分だから、所要時間は3時間16分。新幹線のぞみなら東京に着いている時間だ。
如何に新幹線が早いか再確認できるが、在来線には新幹線では味わえない旅情がある。私にとっては、赤茶けた線路が続く車窓の風景やレールの繋ぎ目の振動もその一つだ。新幹線ではこの旅情は味わえない。今回の旅では、じっくりとその辺りのノスタルジーを愉しんで来ようと思っている。
名古屋着がお昼なので、昼食は名古屋で味噌カツでも食べよう!
青春18切符は何度でも途中下車が可能だから、こんな時は便利だ。早速改札口を出る。

赤茶けた線路も旅情のひとつ…
赤茶けた線路も旅情のひとつ…
名古屋からは中央本線に乗り換え。岐阜県の中津川経由で塩尻まで向かう。名古屋発13時15分、中津川着が14時18分だ。次の中津川発塩尻行きが14時36分だから、うまく行けば中津川で途中下車して…と考えていたのだが、残念ながらそんな時間は取れそうも無い。
中津川は1971年、吉田拓郎やみなみこうせつをはじめ多くのフォークシンガーが集まり中津川フォークジャンボリーが開かれた場所である。当時、一目見ようと集まったファンや若者たちでこの町は溢れ返った。フォーク全盛期に育った私としては、そんな中津川の町を肌で感じてみたかったのだが…。

中津川に着く頃から雲行きが怪しくなってきた。
列車が中津川に着くや否や、空が光り大粒の雨が落ちてきた。
フォークジャンボリーで有名になった中津川駅
フォークジャンボリーで有名になった
中津川駅
もの凄い大雨だ!見る見る内に線路に水が溜まる。
定刻になっても列車は出発する気配が無い。程なく駅舎内に放送が流れた。どうやら、先ほどの雨で線路が水没し安全確認のために一時列車の運行を控える…らしい。
どのくらいの時間が掛かるのか駅員に尋ねると「正確には何とも言えないが小一時間は掛かるかもしれない」との事。
ひょんな事で時間ができてしまったので、一応、改札を出て中津川の町の空気を吸ってみる事にした。
まだ雨が降っているので遠くには行けないが、駅周辺なら少しは探索できそうである。
こうしたアクシデントも、また、旅の楽しみでもある。
駅周辺を少し歩いてみたが、残念ながら70年代のあの熱い熱気は感じられなかった。
日本中の殆んどの地方都市に言えることだが、人口の過疎化に伴う構造的不況からか、空洞化が目立ち、駅前はシャッター通り化している所が多く華やかさは無い。平日のためかも知れないが、やはり少しでも賑わいを取り戻して欲しいものである。
旅をしていて「時代の流れ」を感じるのは、喫茶店が殆んど姿を消した事である。昔は何処の町でも喫茶店がそこかしこにあった。コーヒーを飲むのに苦労はしなかった。…が、今は喫茶店を探す事が難しくなった。これも空洞化現象の結果なのだろう。ちょっと寂しい気がする。

程なくして構内放送で列車再開の案内が流れた。
同じように待ちわびた乗客が車内へと乗り込んでいく。
前方の信号機が青に変わり列車は一揺れして静かに動き出した。


40,000発が夜空を焦がす、諏訪湖祭湖上花火大会に酔いしれる…
「今夜は諏訪湖で「諏訪湖祭湖上花火大会」があります。当ホテルからのサービスとして桟敷席のチケットをお渡しさせていただきますので、時間があれば是非とも見学してください。」と、チェックインの時、係員が薦めてくれた。
「そうか、今日は諏訪湖祭の日だったのか…」これもまた偶然の成り行きである。
早めの食事を済ませて湖畔まで歩く事にした。


湖畔は煌々と照明が輝き、雰囲気も最高だ!
湖畔は煌々と照明が輝き、雰囲気も最高だ!

逸る心を抑えながら湖畔までの道を急ぐ。勝手の分からぬ場所で夜。湖畔までは少し時間が掛かったものの、何度か道に迷いながらも大勢の人々が歩いていく方角に流されるように向かう。
20分ほど歩いてようやく会場近くに辿りついた。
湖畔には、既に多くの人が集まりごった返している。
煌々と照明が輝き、マイクを手に持った係員が必死に叫びながら人々の整理をしている。屋台の店も沢山出店され、とうもろこしやするめを焼いている匂いだろうか、香ばしいいい匂いがあちらこちらに漂っていた。
桟敷席も数千席は用意されているだろう。ほぼ湖畔の一角は桟敷席で埋め尽くされているようだ。
花火には太鼓の音色がよく似合う。
花火に太鼓の音色はよく似合う
(太鼓演奏は毎大会催されるとは限りません)

ホテルでいただいた花火大会のプログラムの内容に目を通した。どうやら、今夜が最終日らしく、特に今宵は多くに花火が上がるらしい。また、太鼓の演奏も催されると書いてあった。
パンフレットによれば、諏訪湖祭水上花火大会の見どころは、「打上数、規模ともに全国屈指の花火大会」とある。
湖上ならではの水上スターマインや全長2kmのナイヤガラなど圧倒的なスケール感を誇る演出が目白押し。湖上に設置された打上台から40,000発余りの花火が夏の夜空を彩る。また、四方を山に囲まれた諏訪湖から打ち上がるため、その音は山に反響し体の芯まで響き、迫力満点。とのことだ…。
私も花火が大好きで、色々な花火大会を見学しているが、この諏訪湖祭水上花火大会は初めてである。
開催時間は7時とある。

何処の花火大会でも、最初の花火が揚がるまでの待ち時間が何とも堪らなく好奇心をくすぐる。
ワキワク、ドキドキ、今か今かと期待を膨らませる時間である。家族連れや会社の同僚と来ているのだろうか、既に宴会モードに入っているグループも幾つかある。

ヒュルルルーーーッ、ドーーーンッ!
最初の炸裂音が湖上に響き渡り、海面を伝わって身体を震わした。
いよいよ花火大会の始まりだ。花火は見上げるようにほぼ頭上近くに上がる。
さすがに40,000発は見ごたえがある。次から次へと上がる花火が夜空を焦がす。誰もが我を忘れて見入っている。

花火1 花火2
花火3 花火4
花火5 花火6
カラフルな花火が夜空を飾る
地響きが立つほどの迫力に見物者の誰もが酔いしれているかのようだ。あちらこちらで歓声が聞こえる…。
湖面を渡ってくる風が肌に気持ちよかった。

あっと言う間に2時間近くが過ぎ、最後のフィナーレを見た後、何故か気だるい感じがした。
行き交う人のざわめきの中を、来た道を辿りホテルへと急いだ。


翌朝、ホテルをチェックアウトした後、再び諏訪湖畔へと足を向けた。昨日は暗闇で何も見えなかった。折角、縁があり立ち寄ったのだからと、少しばかり散策をすることにした。
蓮の水路 蓮の花
昨晩は見えなかったが、諏訪湖へと注ぐ水路にびっしりと蓮が群生し、見事なピンク色の花を咲かせている。見ているだけでもほっとする風景だ。
朝の諏訪湖は、昨夜の喧騒とは違い静けさを取り戻している。お馴染のスワンボートもいつも通りの営業体制モードだ。
湖畔のあちこちでは、まだ桟敷の撤収作業が続いているが、こちらもいつもの姿に戻りつつあった。

今日の行程は、小渕沢まで行き、そこから小海線に乗って清里・野辺山界隈を散策しようと思っている。
宿泊は清里のペンションにご厄介になる事になっている。
諏訪に来たのだから、本来なら諏訪大社等も訪ねてみたいが、今回は見送る事とし、今日のスタート地点「上諏訪」駅へと向かった。
朝の山々からは水蒸気が立ちのぼる 遊覧船も営業モードに… 鴨の夫婦ものんびりと日向ぼっこ…
朝の山々からは水蒸気が立ちのぼる 遊覧船も営業モードに… 鴨の夫婦ものんびりと日向ぼっこ…

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