No. 00009 (2010/04/12) 北緯:35度 41分 東経:133度 89分
【鳥取県】 ラドンの分子が体を癒す 鳥取「三朝温泉」散策

三徳川から「三朝温泉街」を望む鳥取砂丘まで車で約1時間30分。鳥取県北部にある「三朝(みささ)温泉」は日本一のラドン高濃度を誇る放射能泉です。

三徳川(みとくがわ)の両岸にずらりと昔ながらの老舗旅館(27件、その内16件が入浴のみでもOK)が並んだ旅情豊かで自然を満喫できる温泉街です。

写真は三徳川から「三朝温泉街」を望む
他に「河原風呂」「株湯」「菩薩の湯(現在は「たまわりの湯」と改称)」や足湯等、公衆浴場も、旅の疲れを癒してくれます。

放射能泉と言っても自然界に存在するラジウムが自然崩壊してできる極弱いラドン(ガスの元素)で、その電離作用によってマイナスイオンが街中に発生し、入浴のみならず散策するだけでもで森林浴と同じ効果があります。
ラドンは皮膚を通しては吸収されず、飲湯や気化したラドンが呼吸により肺に入り、全身の細胞を活性化させてくれます。

三徳川のせせらぎが心に響く「三朝温泉」へ…
京阪神エリアから1泊2日くらいで行ける温泉や観光地は数多く存在する。今回は世界屈指のラジウム含有量を誇る「三朝温泉」へ出かけ、少々疲れ気味の身体を温泉でリフレッシュしようと言うものである。

三朝温泉がある鳥取県東伯郡三朝町は、東西に長い鳥取県の横の位置では、ほぼ真ん中辺りでやや北寄りにある町である。
大阪から電車とバスを乗り継いで行く場合はJR山陰本線「倉吉」で下車し、倉吉からはバスで行くことになる。所要時間はおよそ3時間30分ほどだ。
宿泊する旅館によれば、倉吉駅までの送迎バスを運行しているところもあるようなので、事前にチェックしておくと良いだろう。

我々「旅のとま〜る」の取材車の改造がほぼ出来上がっので、使い勝手を試すべくその車で三朝温泉を目指すことになった。


大阪市内からは阪神高速道路を走り、豊中から池田方面へ抜け、中国自動車道、さらに国道179号線を走り続け、鳥取県の三朝町へと辿り着く予定だ。

所要時間としては、阪神高速道路を走り中国自動車道の院庄(いんのしょう)ICまでおよそ、2時間。その後国道179号線で三朝温泉まで約1時間30分ほどの距離だ。電車で行くのと殆ど同じくらいなのだ。道路事情はその時その時で違うものなので、もう少しゆとりを持っておく方が無難だろう。
少しばかり秋の気配が感じられるようになってきた9月の中旬、いよいよ大阪市内から車を走らせ三朝温泉へと向かった。
阪神高速を走ることおよそ30分程で豊中ICを通過し池田方面へと抜け、いよいよ中国自動車道へとさしかかる。西宮、宝塚辺りは交通量が多く混雑している事がある。往路は下り線なので、それ程の混み具合は無いのだが、おそらく帰りはまた渋滞に巻き込まれるのも致し方ない。

中国自動車道も三田を過ぎる辺りからは、かなり空いているようなので、なかなか快適なドライブがたのしめそうだ。先に進むにつれ、車の数はめっきり減り後続の車は殆ど居ない。車線も複数あるので、気にすることなくマイペースで走ることが出来る。

途中、勝央サービスエリアへ立ち寄り昼食をとり少し休憩することに。。。ここからすぐの津山IC、そして次の院庄ICまでもうあと僅か。いよいよ高速道路とはお別れすることになり、国道179号線を走ることになる。

国道とは言うものの、進むにつれ道幅は狭く山道へと変化してゆく。カーブとトンネルがかなり多い。片側1車線で中央分離帯も無い道路で、他にあまり道路が無いせいか結構対向車が走ってくる。安全運転を心がけなくては…

院庄の町を抜けると鏡野町に入る。その先に奥津湖があり、さらに進むと奥津温泉がある。中々の渓谷美のようだが、まだ紅葉には少し早かった。機会があれば樹木が色づく頃にまた訪れてみたいものだ。
沈む夕陽と三徳川 黄昏時の三徳川 三徳川に架かる「かじか橋」
沈む夕陽と三徳川 黄昏時の三徳川 三徳川に架かる「かじか橋」

昔ながらの温泉情緒が嬉しい…
奥津温泉をあとにさらに北へと走ると、岡山県と鳥取県の県境にあたる人形峠だ。
峠のトンネルを越えると、いよいよ三朝町にさしかかる。暫くすると右側に道の駅「三朝楽市楽座」の標識が見えてきた。ここまでくれば三朝温泉はもう直ぐ傍だ。

この辺りは道路と平行して川が流れている。この川は倉吉を通り日本海へと流れる天神川の支流である。そしてもう少し北へ進んだあたりで川は枝分かれし三朝の町を流れる三徳川となっている。179号線に別れを告げると、三朝温泉の看板が見えてきた。右折して県道21号線を三徳川沿いに走っていく。

何とものどかな風景だ。。。何故だか懐かしさがこみ上げてくるような田舎町…見ると河原に車を停めている所があるので、早速河原に下りて暫く辺りを散策することに。。。

温泉街を東西に流れている三徳川。この三徳川の両岸に旅館やホテルが立ち並んでいる。そして川には3本の橋が架けられている。
一番手前が「かじか橋」、真ん中が「三朝橋」、そして東の端に架かっているのが「恋谷橋」だ。

三朝橋は温泉街の中心で、三朝温泉の両岸をつなぐ大事な大通りだ。その橋の袂には三朝温泉観光商工センターがある。ここでは毎週金曜・土曜の夜に「あったか座」による三朝に古くから伝わる郷土芸能と山陰の芸能の公演が行われている。出演しているのは全て地元の人たちで、入場無料というのは有難い。

そして観光商工センターのすぐお隣には公衆浴場「たまわりの湯」がある。近隣から日帰りで訪れた人たちや旅館以外の外湯を楽しむ人たちで賑わっている。入浴料は大人300円、小人200円と格安であるのも嬉しい!
三朝橋を渡ってすぐの道を左に曲がったところが温泉街でもっとも賑やかな場所のようだ。

この通りには昔からの小さな和風旅館や飲食店、土産物屋、バーやスナック娯楽の店などが集まっている。夜になれば色とりどりのネオンが灯るのだ。何とも昔にタイムスリップしたかのようである。

昔から温泉街につき物だったヌードショーを見ることが出来る施設もあり、まさしく「温泉街」そのものを感じさせてくれる。
昨今、観光客は増加しているにもかかわらず、まだまだ昔の佇まいが残っているのはとても嬉しいものだ。最近は何処へ出かけても、同じような観光施設が建てられていたり、何処にでも売っているような土産物が売られている。それではその土地の良さを知らしめる事は出来ないと思うのだが…

何にせよ、変に観光地化されること無く、ずっと先々まで今の三朝温泉の姿を残していただきたいものだ。

町をぶらぶらした後、再び三朝橋を対岸へ向けて歩いていく。ふと橋の下に目をむけるとすぐそこに公衆露天風呂「河原風呂」』が見える。申し訳程度のよしずの目隠しと、竹細工で向こうが透けて見えそうな脱衣場。露天風呂とつい立で隔てられた足湯「河原の湯」もある。

どちらも入浴料は無料で夜の11時ころまで利用できるそうだ。男性にとっては嬉しい事かもしれないが、女性にとっては残念なことに露天風呂は水着の着用はちょっとキツイかもしれない。いずれにしても、橋の上から丸見えの露天風呂、真昼間から入るのはいささか勇気が必要だ。
地元の人に聞いてみると、日暮れを待っていたかのようにだんだんと人が集まり始め、旅館の浴衣に丹前姿の湯治客や地元の住人、仕事帰りのひとたちで一杯になるのだとか。。。
朝陽を浴びて光輝く三徳川 国登録有形文化財に登録された旅館「大橋」 三徳川の河原で見つけた「アキアカネ」
朝陽を浴びて光輝く三徳川 国登録有形文化財に登録された
旅館「大橋」
三徳川の河原で見つけた「アキアカネ」

 ゆったり…のんびり温泉三昧でリフレッシュ!
三朝温泉には公衆浴場や足湯が数多く設けられている。三朝橋を渡ったすぐ右側にある「たまわりの湯(旧菩薩の湯)」、そして「河原風呂」に「河原の湯」。

三徳川の一番手前に架かっているかじか橋に設けられた足湯「かじかの湯」。お薬師さんの広場に設置された足湯「薬師の湯」。そして忘れてはならない三朝温泉のルーツと言われる「株湯」がある。

約800年前、源義朝の家臣・大久保左馬之祐が三徳山にお参りに来た時、老いた白狼に出会い、自慢の矢で射ち殺そうと思ったが、白狼は神仏の使いかもしれないと思って白狼を救ったところ、妙見菩薩が現れ湯の在りかを教え、木の株を掘って湧き出したのが始まりとか。。。

株湯は恋谷端を渡り少し進んで左へ曲がっていった奥まった所にある。よく見ていないと、曲がるポイントを見逃してしまう。道はかなり細い。対向車が来るとすれ違うのは微妙である。

早速三朝のルーツと言われる株湯に入ることにした。
入浴料は大人200円、小人100円と驚くほど安い。現在普通の銭湯の入浴料が410円なので株湯の入浴料は半額以下ということになる。嬉しい事に「回数券」もある。

ちょっとしたスーパー銭湯なら700〜800円はするのだから、その安さは格段である。
いよいよ中に・・・とドアを開けるとすぐに脱衣場である。ロッカーなどある筈も無い。広さも家庭の風呂場を少し広くしたくらいだ。3〜4人が同時に着替えるともう一杯になる。
服を脱いで、中へ入ると地元の住人らしい人が入浴していた。浴槽は木の枠で、洗い場というか床は石が敷かれた何とも素朴なものである。皆じかに座り、身体や髪を洗い、浴槽からお湯を汲み出しかけ流している。
今までに見たことの無い光景だった。
取り敢えず浸かってみることにした。ちょっと熱めのお湯だが、少しすると身体に馴染んでくる。少しヌルヌルした感触で、とてもよく温まる。立ち昇る湯気にラドンを含んでいるらしいので、深呼吸して吸ってみる。

ラドンの放射線(α線)は皮膚を通過しにくいため、呼吸によって体内に取り込まれ、肺から血液に溶け込み、全身の細胞に刺激を与えるそうだ。
三朝温泉は高濃度のラドン含有量を有する世界で有数の温泉で、リウマチ性疾患、痛風、動脈硬化、高血圧症、糖尿病、消化器疾患、喘息、アトピー、術後のリハビリなどに有効とされている。

のんびりとお湯に浸かって温まった。いつまでも身体がポカポカしている。湯冷めしないように戻り、川のせせらぎを聞きながら眠ることにしよう。。。

温泉で身体を癒したお陰で、ぐっすり眠ることが出来、気持ちの良い朝を迎えることが出来た。朝食を済ませ、かじかの湯へと出かけることにした。どうやら一番乗りのようだ。朝一番のお湯は綺麗で気持ちが良い。暫く足を浸けて温め、河原を散策に出かけた。

三徳川の河原にはいろいろな草花が咲いていた。季節柄、萩、げんのしょうこ、紫露草、数珠球・・・などなど数えるとキリが無い。
ふと見ると小さなとても小さなピンクの花が咲いている。近づいてよくみるとどうやら溝蕎麦のはなのようだ。なかなか都会の街中ではお目にかかることは出来ない花なのだ。カメラのシャッターを押す手についつい力が入る。
折角出会ったのだから、しっかり撮影しておきたい…

本当はもっとゆっくり何日も温泉に入って過ごしたいところだが、後々のスケジュールもあるため、午後からは帰阪の途につくことになった。次回は紅葉の頃に来てみたいものである。
ムラサキツユクサ 現の証拠(げんのしょうこ)  溝蕎麦(みぞそば)
ムラサキツユクサ 現の証拠(げんのしょうこ) 溝蕎麦(みぞそば)

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