No. 00006 北緯:33度 96分 東経:135度 56分
【和歌山県】 日本3大美人湯 龍神温泉

清流日高川沿いの旅館街「奈良県・十津川温泉」から、道ひとつ西、「高野・龍神スカイライン」に入れば、和歌山県田辺市龍神村。日高川沿いに旅館が点在しています。
役の行者、小角が発見し、その後、弘法大師が難陀龍王の夢のお告げを受けて浴場を開いたといわれる「龍神温泉」。1000年の歴史を誇り、ラジュームを含むヌメリ感のある弱アルカリ性のお湯は、肌にしっとり感を与え、古来から「美人をつくる湯」として有名です。
元湯龍神温泉には「龍神家」が営む旅館4件の他、老舗旅館が建ち並んでいますが、殆んどが客室10程度のこじんまりとした心からくつろげる宿揃いです。
その中でも、「上御殿本館」は、建物が国の登録文化財に指定されています。
日帰り温泉派には、外湯として「元湯」(入湯料:600円)があります。
写真は清流、日高川沿いの旅館街(左)と「元湯」


絶景の渓流美…山峡のいで湯は「美人の湯」
龍神温泉は和歌山県田辺市龍神村(旧国紀伊国日高郡)にある温泉で、その歴史は古く開湯されたのは1300年ほど前と言われている。

詳しいことはまた後ほど書くことにして…
この龍神温泉は奈良県の十津川温泉郷と並んで「秘境」といわれる山間の村にある温泉郷である。
高速道路(阪和自動車道)が整備された今では、大阪市内からでも、3〜4時間もあればゆったりと走ることが出来るようになった。
電車とバスを利用する方法も幾つかあるが、やはり時間に縛られずに休憩したり、途中で見つけた温泉に入浴したり…となれば、車で行くのが良いかもしれない。


というわけで、今回は大阪市内から出発し途中スタッフと合流のため岸和田ICから阪和自動車道を走り一路南紀南部へと向かった。
幸い好天気に恵まれ、10月も終わろうかというこの時期、少し動けば汗ばんできそうなくらいだ。
高速道路は平日ということもあって空いていて、気持ちよく走ることが出来る。スタッフと打ち合わせを兼ねてサービスエリアでCOFFEE BREAK!

まだ紅葉には少し早いかもしれないのだが、山深い龍神村では10月下旬頃からかなり色づいているとのこと・・・
だが今年は気温が高い日が続いているためどうなることやら。。。気象は自然のことなのでどうすることも出来ないのだ。
紀州の山の最高峰「護摩壇山」を源とする日高川。その日高川沿いに位置する龍神温泉郷は、日本でも有数の歴史を誇る温泉である。また、群馬県の川中温泉、島根県の湯の川温泉と並ぶ日本三美人の湯としても大変有名な温泉だ。

その昔、修験道の開祖であった役の行者小角によって発見されたが、その後弘法大師が難陀龍王の夢のお告げにより、開湯したことから「龍神温泉」という名前がついたと言われている。

江戸時代には紀州藩とも関わりが濃く、藩主が湯治を行うために、初代藩主徳川頼宣が作らせたのが「上御殿」「下御殿」である。しかし、残念なことに藩主の湯治は現実の物とはならず、建造物は村人に与えられた。

その後、上御殿、下御殿は旅館として利用されるようになった。上御殿の建物は国登録有形文化財に指定されており、今もその姿を留めている。

国の有形文化財に登録された上御殿の建物は、職人たちの技術の跡がうかがえる。
江戸時代より820年続いている上御殿の歴史を感じると共に江戸時代にタイムスリップしたかのような趣きがある。
また「紀ノ川」、「華岡青洲の妻」、「恍惚の人」などの作品で知られる作家有吉佐和子氏も龍神温泉がお気に入りで、上御殿によく宿泊していたそうである。

護摩壇山を源とする日高川 国の登録有形文化財 旅館「上御殿」 道の駅 「水の郷 日高川龍游」
護摩壇山を源とする日高川 国の登録有形文化財 旅館「上御殿」 道の駅 「水の郷 日高川龍游」

源泉掛け流し…龍神温泉元湯 何故美人湯?!
阪和自動車道を走り、南部ICで降り424号線に入る。走るにつれ道は山道となりカーブの多い細く曲がりくねった道へと変化する。乗り物酔いをする人は少し辛いかもしれない。
途中道の駅 「水の郷 日高川龍游」で昼食と休憩をとり、いよいよ目的地龍神温泉へと向けて走ることに…
道は424号線から425号線、さらに進んで371号線へと続く。

この辺りからはずっと日高川沿いに走ることになる。そして広い範囲に点在する龍神温泉の旅館も姿を現してくる。一番西寄にあるのが丸井旅館。そのあとずっと日高川沿いに15軒の旅館や民宿が立ち並ぶ。

道路も更にスリリングなカーブが増え、少しの緊張感が感じられた。とにかく、安全運転で行かなければ…

多少のスリルはあるものの、渓流を見下ろす風景はなかなかのもの。そうこうするうちに目的地、龍神温泉に到着。
さっそく宿にチェックインし、付近を散策することにしよう。先ほども少し触れたが、日高川沿いに広範囲にわたって旅館や民宿があるのだが、メインは元湯がある辺りで何軒か旅館があるものの、俗に言う「温泉街」というような賑やかなものではない。どちらかと言うとというか、鄙びた温泉だ。
山峡の川沿いを縫うようにとおる街道は細く緩やかに曲がった道で、しっとりとした感じが何故かホッと心を和ませてくれる。都会の雑踏を離れのんびりとするには絶好の場所である。

残念ながら暖かい日が続いていたため、まだ山は紅葉には少し早かったようだ。それでも、山間の済んだ空気や木の香りや清流の音を楽しむことができ、ゆったりとした気分で街道をそぞろ歩くのも何とも気持ちが良い。
龍神温泉元湯は唯一の外湯で源泉掛け流しの温泉だ。
泉質は ナトリウム炭酸水素塩泉、弱アルカリ性、温度は48℃。効能は慢性皮膚病、神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、切り傷、火傷などに有効とされている。
それも素晴らしいのだが、やはり日本三大美人湯という温泉であるので、入湯すれば、肌がすべすべ、しっとりするというのが堪らない。

美人湯の条件には、弱アルカリ性でナトリウムイオン、カルシウムを多く含んでいることの3点があげられる。弱アルカリ性の水にナトリウムイオンが反応することで天然石鹸のようなモノができ、 温泉にはいる だけで肌を洗ったように皮膚の汚れや古い角質を落とすと いうことのようだ。これが温泉に浸かった時のヌルヌル感らしい。

元湯の中に早速入ってみよう。内湯は大きな浴槽の檜風呂と岩風呂があり日高川を取り巻く自然の光景を一望できる。露天風呂からは渓流を眺めることができ、夜は満天の星空を眺め川のせせらぎに耳を傾けるのも最高の気分だろう。

檜風呂と岩風呂を交互に浸かり、露天風呂で景色を楽しみ、旅の疲れを癒したあと宿へと戻ることにした。
帰り道、土産物を売る店を覘いてみた。
梅の加工品や椎茸、柚を使った柚べし、ポン酢、木工品などがならんでいる。

木工品は十二支の置物やキーホルダー、ネームプレートなどが多い。これらは龍神村の間伐材等を使って作られた物で、林業者が山仕事のできない雨降り等に一つ一つ手作りした素朴な木工品だ。眺めているだけでなんともほのぼのとした気分になる。
夕食のあとは、宿の温泉に再度浸かり、今夜はせせらぎを子守唄に眠りにつくことにしよう。
ひなびた雰囲気、しっとりとした風情の佇まい 源泉掛け流し 龍神温泉元湯 道の駅「龍神」と丸木造りの吊り橋
ひなびた雰囲気、
しっとりとした風情の佇まい
源泉掛け流し 龍神温泉元湯 道の駅「龍神」と丸木造りの吊り橋

高野龍神スカイラインから紀州の大屋根「護摩壇山」
のんびりと美人湯を楽しんだ翌日は、高野龍神スカイラインを走り、護摩壇山から高野山を抜け帰途につくことにした。

先ず、龍王のおつげによって龍神温泉を開湯した弘法大師が、薬師如来を祀った草庵の温泉寺へ参り、さらにそこから、山道を登ること20分ほどの所にある曼荼羅の滝へと向かった。
鬱蒼と木が茂る道は結構な勾配で、殆ど日が当たらないせいか苔が生えている。見た目には綺麗だが、うっかりすると滑るので気をつけて上らなくてはいけない。

この曼荼羅の滝は、中里介山の小説「大菩薩峠」の机龍之介が失明寸前に、この滝で洗顔治療し、全治したことで全国的に知られるようになった。
滝を見学したあと、高野龍神スカイラインへと向かった。

国道371号線を走ることおよそ3分くらいの所に道の駅「龍神」 ウッディプラザ木族館が見えてきた。
少し休憩しようと館内に入ることに…入り口から一歩足を踏み入れた瞬間、驚いてしまった。なんと推定樹齢350年の大きなツガの木が目の前に広がってきたのだ。
根元の周囲は4.7mほどあるらしい。この巨木を囲むには最低でも3人は必要のようだ。

館内には木工品展示ルームや土産品コーナーがあり、地元産の木製テーブルや椅子、棚等を展示販売している。食事やお茶を飲むコーナーもあり、窓越しに日高川の清流を眺めながら楽しむことが出来る。
木族館は龍をイメージして作られたそうで、龍神財が使用されている。ほのぼのとした木の温もりが伝わってくるようだ。
窓の外を見ると、日高川にかかる吊り橋が見えるので行ってみることにした。
この吊り橋は、近畿地方で唯一の丸木造りの吊り橋だ。十津川村の谷瀬の吊り橋を思えば、これくらいなら自分にも何とか渡れそうだ。

吊り橋を渡ったすぐ先に皆瀬(かいぜ)神社がある。毎年11月3日に開かれる祭礼は獅子舞が各家を訪れ、厄を落としてくれるのだそうだ。今回は少し時期が早かったため、残念ながら祭礼を見ることは出来なかった。また訪れる楽しみに残しておこう。

高野龍神スカイラインは和歌山県の高野山から、奈良との県境をなぞるように龍神村まで伸びる元有料道路だ。
標高1372mの護摩壇山をはじめとする紀州の山々の稜線を通り、道の両側には山、また山のすごい大パノラマが広がっている。 果てしなく深い山々が大海原のように連なるさまはまさに「天空の道」と言えるだろう。

高野龍神スカイラインの起点となる道の駅「龍神」をあとに30分ほど走ると護摩山スカイタワーに到着する。
護摩木を積み上げた独特の形のタワーは、高さ33m。遠く東には、大台・大峰をはじめとした山々、西には紀伊水道の島々まで展望でき、見通しの良い日には、四国山脈までも眺めることがでる。 この絶景に大いなる感動を貰い、いよいよ帰阪の途につくことになった。
皆瀬(かいぜ)神社」 護摩山スカイタワー 紀州の大屋根 護摩壇山より山並と稜線を望む
皆瀬(かいぜ)神社」 護摩山スカイタワー 紀州の大屋根 護摩壇山より山並と稜線

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