No. 00004 北緯:34度 52分 東経:136度 16分

鎧岳奈良県と三重県の県境、奈良県宇陀郡曽爾村にある曽爾高原は、近畿でも有名なススキの名所。大阪からなら、西名阪道路を通り「針インター」から国道369号で南下。「掛」で左折し県道81号を北に上がれば数kmで曽爾高原に到着です。

国道369号線は、「伊勢本街道」(別名・参宮本街道、伊勢中街道)とも呼ばれ、大阪・玉造から伊勢の「伊勢神宮」までの約170キロに及び、お伊勢さん参りと共に発達した街道筋です。
曽爾高原ススキヶ原曽爾高原は、「亀山」を中心とするススキヶ原で全体が湿地帯でススキヶ原中央には「お亀池」と呼ばれる池があります。
2003年、温泉が湧き「お亀の湯」として利用客も増えています。湯質は、ナトリウム・炭酸水素塩泉で、神経痛、筋肉痛、五十肩などに効果があるとされています。
お亀の湯の営業時間・料金は、11時〜20時、水曜休、平日500円、土・日曜、祝日700円
(写真は鎧岳(左)と曽爾高原ススキヶ原)

春夏秋冬…わが日本は四季という素晴らしい気候風土に恵まれた国である。何気なくこれが当たり前…と過ごしている人々も多くいるかも知れないが、広い地球上の国々すべてに四季があるわけではない。

4つの季節、それぞれに素晴らしい景観や趣きがあり、人それぞれに思いは違うものの、やはり「秋」という季節は色々な楽しみ方があるような気がする。

秋は何をするにも良い季節。食べ物も美味しく、スポーツ、芸術、旅行、etc…と楽しみも満載だ。
自分にとっての秋は、やはり自然と触れあう旅や秋の風物詩を見たりすることなのだ。
秋と言えば、一般的には紅葉を観にいく事が多いのだが、それ以外にも秋の主役はいる。

秋の風物詩のひとつ「薄」がそうなのだ。薄というと、何となく物悲しい…寂しい…というイメージが強い。確かに河原などにパラパラと生えていたり、風に倒されそうな薄を見るとそんな風に見えるだろう。

しかし、広大な草原一面に生い茂る薄が太陽の光を浴びて光り輝き風になびくその姿は大海原にうねる波のようなのである。まさに白銀の穂波なのだ。

日本の各地にススキヶ原はあり、良く知られている所として箱根の仙石原、そして関西では奈良県の曽爾高原がある。

曽爾高原は奈良県と三重県の県境に位置する国定公園の中にあり、関西の日帰り観光スポットである。
大阪市内からや名古屋方面からもおよそ2〜3時間で行く事ができる。秋も深まった10月の下旬、ぶらりお散歩気分で曽爾高原を目指し車を走らせて見ることにした。
名阪国道を走り、針ICを経由369号線から曽爾高原駐車場へ到着。およそ2時間ほどの道のりだ。
いよいよ曽爾高原入り口へ。。。

観光スポットと言っても、自然のススキヶ原なので一旦中に入ると何も無い。唯一入り口すぐに休憩所「お亀茶屋」があるだけである。時間もちょうど昼時なので、軽く食事をとり、草原を散策することにした。

曽爾高原は、奈良県と三重県の県境倶留尊(くろそ)山(1,038m)と亀山(849m)間の西斜面に広がるススキの高原で、海抜750m、広さは約38ヘクタール、その真ん中に瓢箪型のお亀池がある。

このお亀池に沿ってずぅ〜っと奥まで暫く歩いて行く。お亀池は長年にわたる土砂の堆積によって殆ど湿地帯になっている池で、大蛇伝説など数多くの伝説が残っているそうだ。

この時期花は殆ど見られないが、初夏(6月ころ)には白いサギスゲが花を咲かせるらしい。その他にもマアザミ、サワヒヨドリ、サワギキョウ、チダケサシ、ウメバチソウなど季節によって50種類もの草木が次々に咲き乱れる自然の宝庫でもある。

お亀池の淵やその周辺を見渡すと何処を見ても薄が群生している。当然のことなのだが…
細い道を通り抜けてお亀池の一番奥へと到着。瓢箪型のお尻の部分になる辺りで、そこから亀山へ登る道がある。またこの辺りは休憩所もあり、お亀池について記された案内板などがあった。

登る前に少しひと休みすることに。。。
お亀茶屋 風に揺れる白銀の穂波 亀山の斜面に群生する薄
お亀茶屋 風に揺れる白銀の穂波 亀山の斜面に群生する薄

少しの休憩と気分転換に写真を撮り、いよいよ亀山峠目指して出発!と言っても亀山はなだらかな山なので、登山の経験が無くても歩いて登れるハイキングコースと言える山である。気軽に誰でもが登ることが出来る。

ふと前方を見ると、山肌を登っていく人々の列が目に飛び込んできた。なんとその姿と言えば、まるで蟻が荷物を担いで山道を登って行くかのようだ。

ここから亀山峠まではおよそ20分くらいで登ることが出来る。途中すれ違う人々と挨拶を交わしながらゆっくりゆっくり次第に小さくなっていくお亀池を見ながら登って行く。10月の下旬だが、好天に恵まれ普段より気温も高いようで、じんわりと汗ばんできた。

亀山峠に着くとそこからは曽爾高原のススキヶ原はもちろんの事ながら、曽爾の村を一望することが出来る絶景スポットなのだ。

本当に峠からの眺めは気分爽快でとても素晴らしい!最短時間で奈良県・三重県の両県にわたる展望が楽しめるのも嬉しい限りだ。三重県側を望めば、尼ケ岳(伊賀富士)・大洞山を見ることが出来、奈良県側にはススキヶ原、亀山のビロードのような山肌、古光山など谷の向こうの山々が見渡せる。

眼下に見下ろす大パノラマは言葉には上手く表せない。やはり「百聞は一見にしかず」なのである。

比較的近い距離で見る薄も風情があり良いのだが、距離をおいて眺める薄の群れは、太陽の光を浴びて輝き、山肌一面に広がる白銀の穂波はしなやかで優しく、思わず手を伸ばして触れてみたい衝動に駆られる。まさにビロードの手触りなのではないかと思ってしまった。
亀山峠付近の草原は緩やかなスロープであるのに対し、曽爾高原展望広場付近は岩場が多いのはとても対照的で面白い。

この亀山峠からさらに北へ行くと二本ボソ、またその先には倶留尊山が控えている。亀山峠から二本ボソへは、およそ25分程と言う事らしいのだが、山登りに自信のある人は二本ボソへ…という事なので、我々は下山してお亀池の方へと向かうことにした。

亀山のハイキング用の道は上り下りがし易いように階段状になっているので、ゆっくり辺りの景色を楽しみながら歩くことが出来る。曽爾高原が一番きれいな季節はなんと言っても秋なのだが、新緑が美しい季節は草原は緑の絨毯を敷き詰めたように変化するとの事。また春、花が咲くころに訪れるのも良いものだろう。。。

曽爾高原へ来る途中にあるファームガーデンにはお土産や地元農家の野菜の直売所、地ビール工房やハーブ園がある。アップ・ダウンと起伏のあるハイキングを楽しんでお腹が空けば地元の食材を活かした郷土料理を食するのも良いだろう。

レストランの他、お米をテーマにした手作り工房「お米の館」があり、焼きたての手作りお米パンが楽しめる。パンを食べるだけではなく、手作り体験も出来るとのことだ。

また隣には、汗をかいて疲れた体を癒してくれる曽爾高原温泉「お亀の湯」がある。泉質はナトリウムー炭酸水素塩温泉で、お肌にもしっとりの美人の湯と評判だ。

草原で薄を満喫した後は、兜岳・鎧岳が見えるお亀の湯のパノラマ露天風呂に浸かり、曽爾村の美味しい郷土料理を頂き帰途につくことになった。
お亀池となだらかな亀山 亀山峠付近から見たススキヶ原とお亀池 まるでビロードのような亀山の山肌
お亀池となだらかな亀山 亀山峠付近から見たススキヶ原とお亀池 まるでビロードのような亀山の山肌

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