No. 00001 北緯:34度 59分 東経:135度 27分
【長野県】

上高地は、北アルプスの谷間にある、大正池から横尾までの前後約10km、幅最大約1kmの堆積平野です。
岐阜県側に流れていた梓川が焼岳火山群の白谷山の噴火活動によってせき止められた事によって池が生じ、そこに土砂が堆積して生まれたと考えられています。
狭義にはこの平野のうち、観光名所として知られる河童橋の周辺だけを指す場合もあります。これだけの高度でこれほど広い平坦地は、日本では他に例が少ないといわれています。


気候的に山地帯(落葉広葉樹林帯)と亜高山帯針葉樹林の境界線付近の高度に位置しているため、ブナ・ミズナラ・シナノキ・ウラジロモミ・シラビソ・トウヒなど、両者の森林の要素が混在し、更にヤナギ類やカラマツを中心とする河川林や湿原が広がるなど、豊かな植生で知られています。
大正池
大正池
ニッコウキスゲ
「自然研究路」に咲いて
いたニッコウキスゲ
梓川や大正池には渡りをしないマガモが住んでおり、ほとんどの個体は人を恐れません。ニホンザルも通年住んでおり、冬季は下北半島のニホンザルよりも厳しい条件である当地で越冬するといわれています。


旅行社が企画している1泊2日で1万円!という格安のバスツアーに参加し、取材で信州上高地に出かける事となった。
バスツアーには何度か参加はしているものの、今回の企画はかなり安い。取材の目的としては、バスツアーの感想とニッコウキスゲの撮影を主とした。

同行のスタッフと待ち合わせ、午前7:10集合場所の「難波(なんば)」で点呼を受け、程なくしてバスに乗り込む。「んっ!」参加者が意外と少ないと思ったが、添乗員の説明では、この後「梅田」で乗り込む参加者がおり、ほぼ座席は満席状態との事だった。しかも、京都からもバス1台が出て全部で6台での道中らしい。1台に40数人が乗っているので、約250名が同じコースを巡る賑やかなツアーのようだ。

参加者は我々同様の熟年層ばかりだと思っていたが、20歳代の女性や男女のカップルも意外と多いのに驚いた。

コースは、名神高速道路から中央高速道路を乗り継いで「駒ヶ根」で昼食。その後「白樺湖」「車山高原」を経由して白馬のホテル「ラフォーレ」に宿泊。
翌日はホテルから「安曇野」を経て「上高地」へ。メインの上高地では4時間の散策タイムが設けられている。上高地散策後、アルプス街道を経由して「平湯」、「高山ラーメン工場」等を訪ね東海北陸自動車道・名神高速道路で帰阪...という結構な強行軍だ。
只、激安のツアーと言うこともあって、途中訪ねる場所は「お土産店」ばかりだが、1万円と言う値段から言えば致し方ない事であろう。信州の雰囲気や温泉を味わいたい方には、しっかりたっぷりと楽しめるツアーである。

8:00。梅田で満員になったバスは高速道路上を一路長野県に向けてひた走る。
今回通過する都道府県は、大阪府、京都府、滋賀県、岐阜県、長野県の2府3県である。
「一宮IC」で名神高速道路と分かれ中央自動車道に入る。この道は何度も走った事がある道だが、運転している時に見る風景と乗客としてみる風景や時間感覚がこれほど違うものかと驚かされた。

中央自動車道でいつも思うのは「恵那トンネル」の異様な長さだ。取材車を運転しているといつも「トンネル内で事故でも発生するとオダブツかなぁ」等、何がしの恐怖にかられる。
このバスにはガイドが乗車していないので、要所要所で添乗員が説明をしてくれたが、私も若かりし頃,旅行社に在籍し添乗業務の経験がある。当時はガイドも乗車していたのでそのような経験はなかった。やはり不景気の影響だろうか?いずれにしても添乗員さんにエールを送っておこう。

添乗員の説明では、この恵那トンネルは日本で4番目に長いトンネルらしい。長さは上り線が8649m、下り線が8489mで、時速60kmで走行すると10数分程度で走り切るが、私の感覚では20分近く掛かったように記憶がある。これも運転席に座っているか乗客用シートに座っているかの時間的感覚がもたらす錯覚かもしれない。

恵那トンネルを抜けると岐阜県と長野県の県境に位置する中津川市がある。
昨年の夏に「青春18切符の旅」の取材時に、中津川駅で途中下車をしたのだが、駅前をぶらぶら散策していると突然の集中雷雨に見舞われ、列車も急遽不通となった。何とか小一時間で運転が再開されたものの、私の忘れ得ぬ小さな出来事として今も心に残っている。
中津川を過ぎると長野県だ。県境は長野県下伊那郡阿智村となり「昼神温泉郷」がある。
ここは以前JRが中央本線を設置する折、ボーリング調査を行った時に突然噴出したらしい。

泉質はアルカリ性単純硫黄温泉(無色透明)で浴用効果としてはリウマチ性疾患・運動障害・しもやけ・創傷・糖尿病・月経異常などが挙げられる。また、飲用としての利用も可能で糖尿病・痛風及び尿酸素質性中毒症・慢性便秘・リウマチ性疾患・慢性気管支炎などに良いとされている。宿は20数件ありリーズナブルな7,200円程の公営宿泊所からちょっと贅沢な30,000円弱のホテルまで選択肢は広い。宿泊しなくても、各旅館・ホテルに申し込めばうれしい日帰り温泉も楽しめる。入浴料は施設によって異なるが500円から1,500円程度だ。

バスは快適に進む。
程なくして「駒ヶ根」でICを出て昼食タイムとなった。
駒ヶ根を出発するとビーナスラインに入り白樺湖、車山高原の景観を楽しみながら、本日のお宿がある白馬村まで、途中オリンピックに使われたジャンプ台等を車窓から眺めながらついウトウトと...。到着するなり何度も入浴して温泉三昧。ホテルの料理に舌鼓を打ち、明日の英気を養うために早めに「おやすみなさい...」と就眠。
大正池から田代池へと続く「自然探求路」 白樺の木が続く 自然探求路で見つけた「ニッコウキスゲ」
大正池から田代池へと続く
「自然探求路」
白樺の木が続く 自然探求路で見つけた
「ニッコウキスゲ」

翌日は、朝8:00の出発である。白馬アルプスホテルを7:50分に出発したバスが到着した。
貧乏取材班の我々は予定に組み込まれている「ラフォーレ」に一泊したのだが、多くの方はグレードアップの白馬アルプスホテルに泊まられたようだ。
朝風呂を楽しんだので調子も良好!

昨日、素通りして来た「安曇野」へ。
ここもお土産店のみのバスストップで、期待していたわさび畑の様子をカメラに収めることはできなかった。残念!

いよいよメインの上高地へ。
しかし、上高地に近づくにつれ雨足が強まる。上高地の散策時間は4時間だ。
大正池から歩いて河童橋まで1時間ぐらいなので、ゆっくりファインダーを覗けそうである。河童橋より先には明神池や明神神社等があるが、ぐるっと回って3時間強はかかるので、今回の散策コースに取り入れるのは不可能なようだ。次回の楽しみに取っておこう。上高地と言っても標高は1,500mもある立派な山岳地帯である。従ってお天気も安定しない。晴れていても雨具の準備はしておくべきで、カッパも用意できれば申し分ない。

上高地は、日本が自慢する自然の豊かさ美しさを末永く守るため、マイカーの乗り入れは規制されている。自家用車(自動二輪含む)は、釜トンネルより通行禁止となる。平湯駐車場または沢渡駐車場にてシャトルバスまたはタクシーに乗り換えなくてはならない。
大正池前または河童橋近くのバスターミナルで下車する事になるが、大正池前で下車する事をお奨めする。
何と言っても「大正池」は上高地を代表する景観地である。
大正4年6月6日の焼岳の噴火で一夜にして梓川が土石流によってせき止められ出来上がった池である。
幻想的な立ち枯れの木は、水没した木が枯れて幹だけ残ったもので白樺が多いようだ。
昭和2年より霞沢発電所の貯水池としても利用されている。
「大正池」から「田代池」までは、「自然研究路」と名づけられ上高地お奨めの散策コースとなっている。それ以降「河童橋」までのコースは「河童橋・明神自然探勝道」更に奥に踏み入る「奥上高地自然探勝道」へと続くが、ここまで来ると旅行気分の軽装では少し気になる。それ相応の登山装備を準備しておいた方が良いだろう。
自然研究路を進むこと約20分で「田代池」の道標がある。ここを右に行けば「田代池」へと通じる。直進すれば「田代橋」「穂高橋」を渡り梓川の左岸を歩き「河童橋」へと続く。田代橋から上流に向かって左前方の木立の向こうに茶色のおしゃれな建物が見える。ここが上高地温泉ホテルで、日替わり温泉も楽しむ事ができる。但し、サービス時間が決まっているので要注意だ。

営業時間は7:00〜9:00 12:30〜15:00、入浴料金は大人(中学生以上) 800円、小人(3才〜小学生) 400円 (共に税込)源泉・湯質は敷地内に3つの源泉を持ち、男・女風呂に、内風呂と露天風呂があり単純温泉。効能は胃腸痛、皮膚病に効果があるとされている。

隣にある上高地清水屋ホテルでも日帰り入浴が楽しめる。こちらは営業時間が11:00〜14:00(受付終了 13:30)で入浴料金は1,070円(税込)のタオル付となっている。湯質はどちらも単純温泉。効能も同じく胃腸痛、皮膚病に良く、天然温泉かけ流し。加温、加水もしていない。
営業時間が少しづれているので、都合のいい方を選べるのも旅人にとってはうれしい。
散策の疲れを癒しに、温泉に入浴し残るスケジュールを頑張る事にした。

入浴を終え再び散策を続ける。
直ぐ近くに上高地開拓者のウェストンのレリーフがある。私の記憶では以前は河童橋の傍らにあったように思うのだが間違いだったのだろうか...?

まだまだスケールは小さいが、ニッコウキスゲの黄色い群生に目を休め、名前の知らない草花に癒されながら「河童橋」に到着。

雨にもかかわらず、大勢の人が河童橋の上で写真を撮りあって賑わっていた。残念ながら写真等で慣れ親しんだ雄大な穂高連邦は五合目辺りから雨雲の中。残雪のみがわずかに見えた。また、大正池からの噴煙上げる焼岳も見れなかったが、充実した2日間であった。焼岳も穂高連邦も次回のお楽しみに取っておこう。

帰りのバス内で睡魔が襲ってきた。何時の間にかウトウトと頭を垂れて夢の中。
出発地の難波に到着したのは21:30頃。家路を急ぎながら、また、何処かへバスの旅に出かけようと思った。
自然探求路に咲いていた「カラマツソウ」 河童橋より穂高連邦を望む 梓川と河童橋
自然探求路に咲いていた
「カラマツソウ」
河童橋より穂高連邦を望む
残念ながら五合目以上は雲の中
梓川と河童橋

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